
これまで伝統木造建築は「建築基準法」に位置づけがなかったため、性質の異なる現代工法向けにつくられた基準にあてはめる以外ありませんでした。2007年6月、耐震偽装問題の反省から基準法の運用をより厳格にした「改正建築基準法」が発布されると、もともと基準法に位置づけのない伝統木造はより建てにくい状況となり、柱を基礎と緊結しない「石場立て」など、もっとも伝統構法らしい建物が実質的には「つくれなくなる」ほどの窮地に追い込まれました。 「このままでは日本に伝わる木の建築文化や職人技術が失われてしまう!」と危機感をもった木造建築関係者ら6団体で組織したのが「これから木造住宅を考える連絡会(これ木連)」です。伝統木造建築をつくることのできる未来を切り拓くべく、2007年秋から国交省木造住宅振興室との交渉を開始しました。国からは「伝統木造を建築基準法に正当に位置づける方向で臨む。そのために性能検証実験や設計法構築を推し進める」との前向きな回答を得、実際に平成20年度からは国主体の伝統構法再検証事業が3カ年計画で動きはじめたところです。 | ![]() |
この度、これ木連では、昨年の第1回フォーラム「このままでは伝統構法の家がつくれなくなる!」に続く第2回フォーラムとして「伝統構法を検証する時代が始まった」を企画しました。その中で、今回の実験を実施した委員会の主査である大橋好光先生ご本人をお招きして実験報告をしていただきます。さまざまな角度からの臨場感あふれる実験映像などを見ながら、伝統木造をどう未来につなげていくかを展望します。関東の実験報告は初となります。この貴重な機会を、どうぞお見逃しなく!
また、大橋先生の報告に先立ちまして、実際にご自身で土壁の家造りに挑戦されているジャーナリストの中島健一郎さんの講演を予定しています。住まい手&ジャーナリストの視点で伝統構法のおかれている現状と未来を語っていただきます。奮ってご参加ください。
【案内・申込書】 第2回公開フォーラム 「伝統構法を検証する時代が始まった」案内・申込み(pdf)
【フォーラムの報告】 こちらをご覧ください